元気のある良いタイトルですね(^ ^;; 結論から述べると
卵管造影は痛くない
です。
なぜ痛くないのか? 急所は造影剤です。
ご存じのように、卵管造影とは卵管が通っているか(卵管には小さな穴が開いています。それが何かの原因で詰まっていないか)
調べる検査です。やり方は子宮に造影剤を注入して、それが
子宮→卵管→腹腔
まできちんと流れるか、レントゲンで見ていきます。
さて、卵管造影が痛いかどうかの分かれ道は造影剤で決まります。
普通「リピオドール」という造影剤を使うのですが、これは粘稠度が高いので(ネバネバしている)、強い圧力でギュ〜〜ッと注入しないと卵管の中を流れていきません。この「強くギュ〜〜ッ」が痛みの犯人なのです。
しかし、あまり知られていませんが、別の造影剤があります。「イソビスト300」というもので、これは水のようにサラサラしています。
ですから別に力を入れなくても卵管の中を流れていきます。
そうです! このイソビスト300を使えば痛くないのです。
これですべて丸く収まればよいのですが、一つ問題があります。
現在メーカーがイソビスト300の製造を一時ストップしているので現物が手に入りません。全く同じ造影剤で名称だけが違う「オムニパーク300」という別メーカーのものもあるのですが、こちらは保険適応になっていないので保険が使えません。
(同じ品物でも名称が違うと保険が使えない。この辺が保険診療の複雑なところ)。
そのような訳で、今はオムニパーク300を使い、その料金は患者さんに請求せず病院が負担する形で卵管造影を行っています。病院の持出しです。検査する毎に病院が赤字になるのですが仕方がないと割り切っています。
早くイソビスト300の製造が再開されることを望みます。
(文責 菅生紳一郎)